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エイジングケアをしたい人たちを中心に人気を集める「レチノール」配合化粧品。最近ではさまざまな種類のレチノール配合化粧品が増えていますが、実際にどんな効果が期待できるのでしょうか。そこで、レチノールに期待できる効果や使用上の注意点について解説します。

レチノールは「ビタミンA」の仲間

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レチノールはビタミンAの一種です。そもそもビタミンAは油に溶けやすい性質を持つ脂溶性ビタミンの一つです。食品では、レバーやうなぎ、バター、牛乳、卵黄といった動物性食品に多く含まれていて、体内では肌や粘膜、目の健康維持に働いています。そのため、美しい肌を保つためには食品としてビタミンAを摂取することも重要です。

ビタミンAは、美容成分としては「レチノール」という名前で広く知られていますが、他にもいくつかの種類があります。具体的には、レチノールが酸化した「レチナール」や医薬品の「レチノイン酸(トレチノイン)」がビタミンAの仲間で、あわせて「レチノイド」とも呼ばれています。

これら3つは構造が異なり、レチノールが体内で酸化するとレチナールに、さらに変化するとレチノイン酸に変わります。体内での最終形態であるレチノイン酸は、レチノールよりも肌への作用が強く、皮膚科での美肌治療にも用いられています。

レチノールに期待できる効果

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今やさまざまな化粧品に配合されているレチノールですが、光や空気、酸化などの影響を受けやすく、成分として不安定という特徴があります。そのため、化粧品に配合される場合には、レチノールに酢酸やパルミチン酸を加えたり、レチノールをカプセル化したりするなど、安定性を向上させる工夫が行われています。

そんなレチノールですが、美容成分としては次のような作用が期待されています。

ターンオーバーを促す

肌の新陳代謝のサイクルを「ターンオーバー」と呼びます。ターンオーバーが乱れると、古い角質が肌表面に残って肌荒れなどのトラブルを引き起こしたり、紫外線などのダメージで色素沈着を起こした細胞が排出されずにシミの原因になったりします。レチノールには、ターンオーバーを促す作用があるため、スキンケアに取り入れることで肌荒れやシミの予防に繋がります。

ヒアルロン酸やコラーゲンの産生を促す

ヒアルロン酸は、肌の潤いを保つために重要な組織で、減少すると乾燥してシワの原因になることがあります。また、コラーゲンも肌のハリや弾力を維持するために欠かせない組織です。レチノールには、ヒアルロン酸やコラーゲンの合成を促進する働きが確認されていて、保湿力の向上、ハリやツヤの維持、シワの予防に効果を発揮します。

皮脂量をコントロールする

レチノールには、皮脂量をコントロールする働きも期待できます。皮脂は肌の水分量を保つために必要なものですが、過剰に分泌されると毛穴の詰まり・開きなどのトラブルや、ニキビの原因になります。レチノールを使用すると過剰な皮脂分泌が抑えられるため、毛穴トラブルやニキビの予防・改善などにも繋がります。

レチノールを使う時に注意したい「レチノイド反応」

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このように、レチノールはさまざまな肌トラブルの予防や改善効果が期待できる成分ですが、使用する際に注意したいことがあります。それが「レチノイド反応」です。

レチノイド反応とは、レチノールを配合した化粧品などを使った際に、肌に赤みやかゆみ、皮めくれ、ヒリヒリ感、乾燥などの症状が現れることを言います。レチノールの作用により、ターンオーバーの促進されたことで起こる現象で、もともと肌にビタミンAが不足している人ほど起こりやすいと言われています。

化粧品の使用後にこのような症状が出ると、「肌に合わなかったんだ」と思って使用を中止してしまう人が多いのですが、レチノイド反応は正常な反応であり、使い続けているうちに症状もだんだん治まっていきます。レチノイド反応が出る期間には個人差がありますが、2週間程度続くことも珍しくありません。そのため、レチノール配合化粧品を使う際には、レチノイド反応が出る可能性があることを頭に入れておきましょう。

なお、あまりにも症状が続く場合は、レチノイド反応ではなく、肌に合わないことで肌荒れが起こってしまっている可能性があります。症状が長引く場合は皮膚科で相談しましょう。

その他の注意点として、レチノールは紫外線によって分解されやすいため、レチノール配合化粧品を使用する際は、いつも以上に紫外線対策を徹底することも重要です。

より効果を実感したい人は皮膚科での「レチノールピール」も検討を

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ここまでご紹介してきたように、レチノールはさまざまな効果が期待できる成分で、手軽にエイジングケアをしたい時などにレチノール配合化粧品はおすすめです。

ただし、化粧品は医薬品ではないため、効果を実感できるまでにはある程度の時間がかかります。また、人によっては物足りなさを感じることもあるでしょう。そんなときは、美容皮膚科や美容整形外科で受けられるレチノールピールなども検討してみましょう。

レチノールピールはピーリング治療の一種で、レチノールではなく、「レチノール誘導体」を配合した薬剤を使用します。レチノール誘導体は、レチノイン酸の前段階の物質で、肌に浸透させるとレチノイン酸に変わります。レチノイン酸は、レチノールの100倍もの生理作用があると言われているため、より効果を実感したい人におすすめです。

中には「レチノイン酸は効果が高い分、レチノイド反応が起きやすいのでは?」と心配する人がいるかもしれません。たしかにレチノール配合化粧品に比べると副作用のリスクはありますが、最近では赤みなどが起こりにくいレチノールピールなども登場してきているため、興味のある人はクリニックで相談してみることをおすすめします。

レチノールピールの進化版「トラネックスピール」とは?

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当院では、レチノールピールの進化版「トラネックスピール」をご用意しております。トラネックスピールとは、美肌有効成分であるトラネキサム酸やビタミンC、お肌のトータルケアに効果的なビタミンA誘導体であるレチノールを組み合わせた2ステップ型のピーリング剤です。

液剤であるステップ1は、ピーリング作用で有効成分を効率よく浸透させ、その後クリーム製剤であるステップ2をマッサージするように塗布していきます。それにより、皮膚のターンオーバーは通常28日~42日と言われていますが、トラネックスピールの施術を行うことで、7日間程度で新しい皮膚に入れ替わるのが特徴です。

トラネックスピールのみの施術でも効果は実感できますが、お悩み内容によってはピコトーニングダーマペン4などによる施術と一緒に行うとより効果を実感して頂けます。

トラネックスピール

まとめ

  • レチノールはビタミンAの一種
  • レチノール、レチナール、レチノイン酸をあわせて「レチノイド」とも呼ぶ
  • レチノールの作用として、ターンオーバーを促す、ヒアルロン酸やコラーゲンの産生を促す、皮脂量をコントロールするなどがあり、さまざまな肌トラブルの予防や改善に効果を発揮する
  • レチノールを配合した化粧品などを使った際に、肌に赤みやかゆみ、皮めくれ、ヒリヒリ感、乾燥などの症状が現れる「レチノイド反応」が起こることがある
  • レチノイド反応は2週間ほど続くこともあるが、レチノールなどを使い続けると改善していく
  • レチノール配合化粧品を使用する際は紫外線対策の徹底を
  • レチノール配合化粧品よりも即効性や高い効果を期待する人は、クリニックで受けられる「レチノールピール」も選択肢の一つになる
文/品川美容スタッフ

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