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お肌の表皮にある角質層に存在する「セラミド」は、保湿などの大切な役割をはたしています。実は7種類あるセラミド、年齢と共に減少すると、さまざまな肌トラブルの原因にもなります。そもそもセラミドとは?また、どうすれば効果的に補えるのでしょうか?

セラミドとは?

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まず、肌の構造を確認してみましょう。皮膚は空気に触れる外側から表皮・真皮・皮下組織が順番に重なる層になっていて、その下に筋肉の組織があります。肌のケアをする上でとくに大切なのは表皮。肌の表面は、身体から分泌された皮脂でできる皮脂膜で覆われており、その下に表皮の一番上の層である角層が、さらにその下に角質細胞がレンガのように角質層を形成し表皮が構成されています。

そのレンガのような角質層の細胞と細胞の間で、水分や油分をスポンジのように抱え込んでいるのが「セラミド」です。角質層の間には、レンガのひとつひとつを接着するような形で、「細胞間脂質」が存在していますが、その約50%を占めるセラミドは、主成分として肌に潤いを与えているのです。

セラミドにはどんな種類があるの?その働きは?

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セラミドの重要な働きは、肌の保護と保湿です。アレルゲンや紫外線など、外からの刺激から肌を守り、さらに水分の蒸発を防いで肌の水分を保つことで、健康な肌は保たれます。しかし、セラミドが働かなくなったり、不足したりすると、肌のバリア機能が低下し、乾燥や肌荒れ、またアトピー性皮膚炎などの肌トラブルが起こってしまうのです。

このように肌を守るため重要な役割を持つセラミドですが、実は多くの種類があることがわかっています。その数は、はっきりしているもので7種類、現時点では不明なものも含めると11種類、とも言われています。同じセラミドであっても少しずつ役割が異なるセラミド1~7の特徴をそれぞれみていきましょう。

セラミド1…外からの刺激に対する高いバリア機能と水分を保持する機能をもつ
セラミド2…水分を保持する機能が高い
セラミド3…水分を保持する機能に加えて、シワを軽減する働きも持っている
セラミド4…角質をバリアする脂質の層を作り、保持する
セラミド5…角質をバリアする脂質の層を作って、保持する
セラミド6…水分を保持する機能、シワの軽減、ターンオーバーを促進する機能
セラミド7…細胞の増殖や分化をコントロール、皮膚に存在する菌のバランスを整える機能

この中でとくに、人の肌に多く備わっているのはセラミド2で、セラミド全体の約21パーセントを占めます。そのため、セラミド2の増減が肌のコンディションに与える影響はとても大きく、セラミド2が配合されている化粧品も多く存在します。また、セラミド1は肌のバリア機能としての役割が大きく、セラミド3も減少すると乾燥肌やシワといったトラブルが起こってしまうことから、ヒトの肌を守る上で重要といわれています。

年齢とセラミド

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ところが残念なことに、セラミドの量は年齢を重ねると減少してしまいます。その量は赤ちゃんの時期をピークとして徐々に減り、30代になると大きく減少。また、気候や環境の変化なども加わり、50代になると、20代の半分程度のセラミド量になるとも言われています。

とくに加齢と共に減りやすいのは、セラミド3とセラミド5で、これらの減少により皮膚が乾燥したり、過敏になったり、さらにはドライスキンやアトピー性皮膚炎など、さまざまなトラブルにもつながる可能性もあります。

セラミドを補うためには

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そんな年齢によるセラミドの減少と肌トラブルを予防するためには、セラミドを身体の内側・外側両方から補ってあげることが重要です。まず、内側から補うために、食品からセラミドを摂取する場合、目安は1日に0.6~1.2㎎と言われています。

サプリメントを使う方法もありますが、例えば米や小麦、乳製品、大豆、こんにゃく芋など、日常的に食べる食品の中にもセラミドは含まれています。

とくにこんにゃく芋はセラミドをたくさん含んでいて、約100gで1日の目安量を摂ることができます。即効性は期待できませんが、消化・吸収されても角質層に届くとセラミドの産生が促されると言われていて、全身のセラミド量を増やしたい時に取り入れたい方法です。

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また、セラミド配合の化粧品を使って、外側から補うという方法もあります。化粧品に配合されるセラミドは、原材料などにより「天然セラミド」「ヒト型セラミド」「植物性セラミド」「合成セラミド」の4種類に分類されます。

天然セラミドはヒトの細胞間脂質に近く保湿力に優れている、ヒト型セラミドはヒトの皮膚にあるセラミドに近い化学構造でつくられていて肌に優しいなど、それぞれに特徴があります。

乾燥が気になる、敏感肌を改善したいなど、それぞれの肌の悩みによって選ぶべき化粧品のタイプや、相性が異なりますので、セラミド入りの化粧品を購入するときは、成分表示を確認し、セラミドの種類や特徴が自分に合っているかを確認しましょう。

セラミド:まとめ

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  • セラミドは表皮の角質層にある「細胞間脂質」の主成分
  • 肌の保護と保湿の役割を持っていて、肌のバリア機能を保っている
  • 複数の種類があり、判明しているだけで7種がそれぞれの特徴を持つ
  • ヒトの肌にとくに多いは「セラミド2」である
  • セラミドは赤ちゃんの時期をピークに年齢とともに減少する
  • セラミドを補うには、食品やサプリメントなどで内側から摂る方法がある
  • 外側から補うために、セラミド配合の化粧品を使うこともできる
  • 化粧品によってセラミドの種類が異なるため、肌のタイプに合うものを選ぶことが大切
文/品川美容スタッフ

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