210105_SBN_logo_pink.svg

tl00-min.jpg

「毛を剃ると濃くなる」「白髪は抜くと増える」など、巷では美容にまつわるさまざまなウワサが飛び交っています。これらは信じてもよいのでしょうか?今回は『美容に関するウソ・ホント』に医学的な視点から切り込んでみたいと思います。

ウワサその1:毛を剃ると濃くなる

ウワサその1:毛を剃ると濃くなる

肌を見せる機会が多い夏場、特に気になるのがムダ毛の処理でしょう。
日々のお手入れにカミソリで剃っていると、余計に濃くなってしまう…というウワサはよく聞きます。しかし、これは医学的にみると「ウソ」。カミソリで剃ることが原因で、毛が濃くなったり太くなったりすることはありません。

身体にはえているほとんどの毛は先端が細くなっています。しかし、カミソリで剃ると、毛が伸びるにつれて根元の断面部分が見えてきます。この断面は先端と比較して太く、表面積も広くなります。つまり、「毛を剃ると濃くなるように見える」という実感を伴ったウワサとして広がっていると考えられます。

ウワサその2:全身浴より半身浴のほうがよい

ウワサその2:全身浴より半身浴のほうがよい

美容に効果的なお風呂の入り方については、さまざまな方法があります。40度ほどのお湯につかる一般的な全身浴は、シャワーのみや半身浴と比較して身体をあたためる効果が最も高く、疲れや肩こりの解消を目的とする場合にはおすすめです。

しかし、40度以上の熱いお湯につかるのが苦手な人や、心臓・血圧などへ負担をかけたくない人には半身浴が適しています。38度程度のぬるめのお湯でゆったりと半身浴をすると、リラックス効果が高く、身体をじっくりあたためることができます。また、寒い冬だけでなく、冷房などで意外と身体が冷えている夏も、一日の終わりに湯船で身体をあたためると寝付きがよくなり、疲労やだるさの解消などにもつながります。

全身浴と半身浴はそれぞれにメリットがあるため、一概にどちらがよいと断定することはできません。その日の体調やタイミングを考慮して、自分にあった入浴方法を選択することが大切です。

ウワサその3:白髪は抜くと増える

ウワサその3:白髪は抜くと増える

気になる白髪、抜いてしまいたいけれど「抜くと増える」と聞くから躊躇した…という経験はありませんか?ところが、このウワサは「ウソ」です。

そもそも白髪はどのようにしてできるのでしょうか。実は、髪の毛はもともと白いのです。それが作られていく過程で色がついていきます。これに関わるのがメラノサイトという細胞で、活性化すると「メラニン色素」が生成されます。メラニン色素の種類と量によって、黒髪、ブロンド、栗色など、一人ひとりによって異なる髪の色になるのです。しかし、加齢に伴いメラニン色素が減ったり、作られなくなったりすると白髪が生えてしまいます。

加齢だけでなく、ストレスや薬の副作用、遺伝なども関わっているといわれています。ですから、抜くことが原因で白髪が増えるというウワサに根拠はありません。

ウワサその4:睡眠時間が少ないと太りやすい

ウワサその4:睡眠時間が少ないと太りやすい

睡眠時間が少ない、つまり、起きて活動する時間が長いと太りやすいというのは本当でしょうか?実は、このウワサは「ホント」です。
飲み会で寝る時間が遅くなったり夜更かしをしたりしていて、ついスナック菓子や甘い物に手が伸びてしまう…そんなありがちな食生活の乱れも一因でしょう。しかしそれ以上に、睡眠時間が少ないとホルモンのバランスが乱れて太りやすくなる、という理由が挙げられます。

睡眠時間が少ない場合、食欲を抑える働きを持つホルモン「レプチン」の分泌が低下し、逆に食欲を増進させるホルモン「グレリン」の分泌が増えることが明らかにされました。つまり、睡眠時間が少ないと、食欲が増して食べ過ぎにつながるため太りやすくなってしまうのです。
また、睡眠中に分泌されている「成長ホルモン」は、新陳代謝を高め基礎代謝をあげる働きをしていますが、睡眠が乱れるとこの機能もスムーズに行われなくなってしまいます。

睡眠不足と肥満の関係は深く、健康的に痩せるためには十分な睡眠が必要不可欠です。

ウワサその5:温泉は、美肌づくりのためによい

ウワサその5:温泉は、美肌づくりのためによい

温泉に入ると心も身体もスッキリ、お肌もスベスベになったように感じます。そんな温泉は美肌づくりのためによいと言えるのでしょうか。実はこのウワサについては賛否両論で、一概にウソかホントか断定することはできません。

入浴して身体をあたためるという意味では、温泉に入ると血行がよくなって疲れがとれたり、代謝が促されたりするといったメリットがあります。
血行改善は美肌づくりに効果が期待できますから、この観点からは温泉は美肌づくりによいと言えます。

ところで、温泉に行くと泉質の説明や効果効能が掲げられていて、泉質は単純泉や硫黄泉など種類が豊富ですね。たとえば、アルカリ性の温泉はクレンジング作用でお肌がスベスベになるとか、酸性の温泉は殺菌作用があるとか、それぞれ特徴を持っています。しかし、人によっては刺激が強すぎて、美肌づくりには逆効果となる可能性も否めません。

泉質との相性やお湯の温度などによって肌の反応が変わってくるため、効果については人それぞれなのです。ですから、特に肌が敏感な方は、入浴前に温泉のタイプを確認しておくことが大切でしょう。

美容に関するウソ・ホント

  • 「毛を剃ると濃くなる」というウワサはウソ
  • 「全身浴より半身浴のほうがよい」というウワサは断定できず、自分に合う方法をみつけることが大切
  • 「白髪は抜くと増える」というウワサには根拠がない
  • 「睡眠時間が少ないと太りやすい」というウワサはホント
  • 温泉は美肌づくりのために一定のメリットはあるが、泉質との相性や温度などによってその効果は異なる
文/品川美容スタッフ

category