お顔のパーツにコンプレックスをお持ちの方は多いのではないでしょうか。なかでも、メイクでカバーすることが難しいお鼻についてのお悩みを美容整形で解消したい！というご相談は多く寄せられています。
プチ整形より簡単に鼻を高くできる！と最近話題なのが「アイプチ」ならぬ「鼻プチ」と呼ばれるアイテム。
今回はこの「鼻プチ」について解説いたします。
メイク？セルフケア？お鼻の悩みの解決方法とは
—実際、美容外科にはにどれくらい鼻に関するご相談があるのでしょうか？
具体的なご相談の人数は一概にはお答えできませんが「あなたが整形したいパーツはどこですか」といった内容のアンケートを行うと、鼻は上位にランクインする傾向にあります。最近では、お顔の凹凸をはっきり見てるテクニックとして、ハイライト・ローライトを巧みに使う「コントゥアリングメイク」が話題になったりもしていますね。ただ、鼻をトントン叩くと良い、クリップ状の鼻栓を付けっ放しにしておくと良い…など、インターネット上には様々な「自分で鼻を高くする方法」が散見されますが、いずれも効果的とは言えないと思います。
—ちなみに、日本人の鼻の形にはどんな傾向があるのでしょうか？
日本人の鼻は西洋人の鼻に対して、皮膚が厚く丸みを帯びた形をしているため、ボテッと存在感があり、横に広がって見えるタイプの鼻が多く、鼻先の丸みと相まって幼い印象を与えてしまう場合がありますね。
個別には、鼻先には高さがあるが鼻根が低い、鼻全体が低い、鼻先が上向きである…など、お悩みは人によってそれぞれ違います。
—秦医師は「鼻プチ」をご存知ですか？また、鼻を美しく見せるのに効果的と言えると思われますか？
はい。鼻プチは、プラスチック製のスティックを鼻の内部に入れて、突っ張り棒のように鼻先を押し上げ、鼻を高くするというものですね。
鼻プチによって鼻の内側から「鼻先が高くなる」のは確かですから、鼻を美しく見せるのに効果的なケースもあるでしょう。
ただし、重要な点が２点あります。それは、
1 どの程度鼻先を高くしたいのか？
2 鼻根部・鼻筋が低い場合に、鼻先が高くなることでバランスが悪くならないか？
という点です。
この2点を気をつけなければ、不自然な鼻になってしまいかねません。
—なるほど、不自然にというと具体的にはどんな感じのことを言うのでしょうか？
鼻根部・鼻筋が低いにもかかわらず、鼻先だけを高くすると、浮き上がったように高くなり不自然になることがあるからです。
違和感のある形の鼻になってしまうことをPollybeak変形と呼びます。
具体的には、下の図のような感じですね。
鼻プチだけで無理に鼻を高くしてしまうと、このような不自然な形状になってしまいかねません。
美容整形と比べてのメリット・デメリットは？
—鼻プチのメリットやデメリットについて教えていただけますか？
鼻プチには以下の３点メリットがあると考えています。
１ 手軽さ
小さなバネ上のプラスチックを鼻の中に挿入するだけの手軽さがあります。費用もそれほどかかりませんし、不要な時は取り外すことができます。
２ サイズが豊富
メーカーによって異なりますが、サイズがXS～Lまであり、自分の鼻に合わせたサイズを選択することができます。
海外規格の製品が多かったようですが、最近では日本人女性の鼻のサイズに合わせたものも発売されているようです。
３ 鼻先を高くすることが可能
鼻プチを使用している間は、鼻先を高くすることができます。鼻先の高さにお悩みの方には効果的だと言えます。
一方で、鼻プチには以下の４点デメリットがあります。これらはほとんどメリットと表裏一体です。
１ 鼻先しか高くできない
鼻プチは鼻先「しか」高くすることができません。
美容整形においては鼻の根元（鼻根部）から〜鼻先までバランスを整えながら高さを出すことができます。
そのため、美容整形を利用した方がバランスの良い綺麗な鼻にすることができます。
２ 不自然になってしまうことがある
鼻根部や鼻筋が低い方の場合、鼻先だけを高くすると浮き上がったように高くなり不自然になることがあります。
そのため、鼻プチ挿入後は色々な角度から見て不自然でないか確認することをおすすめします。
３ 鼻プチを使用している時だけしか効果がない
鼻先の形を形成しているのは主に軟骨です。軟骨は硬さがあり、鼻プチで持続的に力を加えてもほとんど矯正はできないといわれています。
そのため、鼻プチで鼻先を高くする効果があるのは鼻プチを使用している時だけとなります。
４ リスクがゼロではない
基本的に安全ですが、使用方法によっては鼻の内側を傷つけてしまったり、感染を引き起こしたり、鼻の奥の方に鼻プチが入ってしまうトラブルなどが起きてしまう可能性もゼロではありません。
—ちなみに…長時間使用するリスクはあるのでしょうか？
結論から言うと、鼻プチはプラスチック素材であり基本的に長期間使用しても問題ありません。
ただ、以下の４点に関しては注意が必要となります。
１ 使用後は洗浄し清潔に保つ
鼻プチを水などで洗浄し清潔にしておかないと、鼻プチの使用で鼻の内側の皮膚に傷がついてしまい感染・化膿してしまうリスクがあります。
２ くしゃみや鼻水が多くなる場合は使用を控える
鼻プチという異物の刺激でくしゃみや鼻水が多くなってしまう場合があります。
３ 使用中は鼻をいじったり、ぶつかったりしないよう気をつける
衝撃で鼻プチが鼻の穴の奥の方に入り込んでしまうと、取り出すのに苦労する場合があります。
４ 自分の鼻のサイズに適したものを使用する
人によっては痛みを強く感じて長期間使用できない場合があります。
鼻の美容整形にはどんなものがあるの？
—鼻プチは良くも悪くも一時的なもの、鼻先だけの限定的なものなのですね…。
では、美容整形だとどんな風に鼻を高くすることができるのでしょうか？
鼻の美容整形だと、一般的なのはやはりプロテーゼによる隆鼻術でしょう。
プロテーゼはシリコン製で、人の軟骨に近い柔らかな感触のもの。これを、一人ひとりの鼻の形に合わせた形に整えて、鼻筋に固定します。
また、よくご質問を受けますが、この手術は鼻の穴の中を切って行うので、お顔の表面にキズが残ることはありません。
プロテーゼを入れるのには抵抗がある方、手軽にお鼻の形を整えたい方におすすめなのが、溶ける糸を使って鼻の形を整えるフレックス・ノーズ®という方法です。
専用の特殊な糸を使用するだけの“切らない”隆鼻術で、鼻の形状を自由自在に形成でき、プロテーゼによるものと比べてダウンタイムがほとんどないのが特徴です。
通常8本～12本の糸を使用して、希望の鼻の形にしていきます。注入後、糸は徐々に溶けていきますが、その間に鼻の組織が再生され、半年で70%ほどに落ち着きます。
合わせてヒアルロン酸の注入も行うことで、より理想のお鼻に近づけることができます。
お鼻は顔の中心で、存在感がありますし、セルフケアやメイクでカバーしづらい部分でもあります。
鼻の美容整形の方法も、上記投げた２つ以外にも様々ありますが、自分の鼻にはどんな施術が向いているかというのは判断に迷ってしまうものですよね。
そんな時は一度、クリニックでのカウンセリングを受けてみてください。経験豊かな美容外科医師ならではの視点で、アドバイスや施術のご提案ができると思いますよ。無料メール相談も受け付けていますので、お気軽にご相談くださいね。
この記事の監修ドクター
品川美容外科 品川本院
秦 真治医師
- 日本美容外科学会会員
- 日本美容外科学会認定 美容外科専門医（JSAS）
- VST認定医
- サーマクール認定医
- ジュビダームビスタ®ボリューマXC認定医
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