210105_SBN_logo_pink.svg

510_00.jpg

健康ブームとともに、これまでさまざまなヘルシー食材が注目されてきましたが、今年に入ってとくに話題になっているものが「豆腐干(とうふかん)」です。中国由来の食材で、中華料理や台湾料理によく使われていますが、どんなものなのでしょうか。また、なぜ今日本で注目を集めているのでしょうか。今回は、話題の豆腐干についてご紹介します。

「豆腐干」ってどんな食べ物?

510_01.jpg

「豆腐干(とうふかん)」は、その名前からもわかるように豆腐の仲間で、かための豆腐を圧縮し脱水することで作られています。「干豆腐(かんとうふ)」や「押し豆腐」などとも呼ばれていて、本場の中国や台湾では豆腐干を麺状にした「豆腐干絲(とうふかんす)」が、炒め物や煮物料理などによく用いられています。

現地ではふだんの食卓にならぶポピュラーな食材で、日本でも中華料理や台湾料理のお店に行くと見かけることがあります。

豆腐干が今注目されているワケ

510_02.jpg

豆腐干が注目されるようになった背景には、昨今の「低糖質」ブームが関係しています。今から10年ほど前、糖質をおさえることで体重を減らそうという「糖質制限ダイエット」が一大ブームを巻き起こしたことは、記憶に新しいでしょう。

最近では、過度な糖質制限はかえって健康を害す可能性のあることが広く認識されるようになってきていますが、それでもなお、糖質を抑えたダイエットは人気で、糖質の少ない食べ物はヘルシー食材としてしばしば注目を集めています。

そんな中にあって豆腐の仲間である豆腐干も、低糖質で高たんぱく質な食材として、健康志向の高い人たちの間で、以前より関心を集めていました。そして、さらにその知名度を飛躍的に上げたのが、クックパッド株式会社の「食トレンド予測2022」といわれています。この中で紹介されたことで注目度が一気に上がり、最近ではさまざまなメディアで取り上げられています。

とくに豆腐干絲は見た目が中華麺によく似ているということもあって、麺類の代替品として取り入れている人が多くいます。「糖質制限中なのに麺類を食べられる」ということで、健康志向の高い人やダイエッターの強い味方として人気を集めています。こうした事情もあって、日本では本場の中国や台湾では見かけないような、さまざまなアレンジレシピが紹介されています。

栄養面から見た豆腐干の特徴

お伝えしたように、豆腐干は豆腐を加工して作られています。「豆腐=ヘルシー食材」というイメージが強いですが、実際のところどうなのでしょうか。ここでは、栄養素の面から豆腐干の特徴をまとめていきます。

良質なたんぱく質が豊富

筋肉や臓器、皮膚、髪など身体のさまざまな組織の主要な成分でもあるたんぱく質は、ヒトの身体を作るうえで欠かせない栄養素で、三大栄養素の一つとされています。また、ホルモンや酵素などの働きにも大きく関わっています。

豆腐は良質なたんぱく質が豊富で、体内で合成できないさまざまな必須アミノ酸をバランスよく摂れる優秀な食材です。また、豆腐に含まれるたんぱく質は植物性なので、肉などの動物性たんぱく質に比べて脂質やカロリーが少なく、よりヘルシーといえます。

主食に比べて低糖質

糖質は身体のエネルギー源となる大事な栄養素ですが、一度にたくさん摂ると血糖値の急上昇を引き起こすことがあります。そして、そのような状態が繰り返されることで、太りやすい身体になってしまったり、糖尿病などを発症するリスクが上がったりします。

糖質の多い食べ物の代表格というと、ご飯やパン、麺類などがあげられますが、これらと比べると豆腐干は糖質の量が圧倒的に少なく、同じ量の中華麺と比べた場合、糖質の量を90%以上カットすることができるといわれています。

身体にうれしい働きのある栄養素が含まれている

豆腐にはさまざまな栄養素が含まれています。たとえば、ポリフェノールのひとつでもある「大豆イソフラボン」。大豆イソフラボンは女性ホルモンの「エストロゲン」に似た働きを持つ栄養素で、動脈硬化や骨粗しょう症の予防に役立つことがわかっています。

また、抗酸化作用を持つ「サポニン」や動脈硬化の予防効果が期待できる「大豆レシチン」や「リノール酸」なども含まれています。

そのほかにも、豆腐干にはビタミンや、カルシウムをはじめとするミネラルがたくさん含まれています。ビタミンやミネラルは、体内で炭水化物やたんぱく質、脂質の働きをサポートしていて、身体の調子を整える上で重要な役割を果たしています。

豆腐干を食べる際の注意点

510_03.jpg

豆腐干は栄養価の優れた食材といえますが、どんなに身体に良いものでも摂りすぎると悪影響が及ぶことがあります。たとえば、豆腐干を麺状にした豆腐干絲を中華麺の代わりに食べた場合、同じ量であれば、たしかに糖質の量やカロリーは抑えることはできます。ただし、「ヘルシーだから大丈夫」と思ってついたくさん摂ってしまうと、当然ながらカロリーもオーバーしてしまうので気をつけましょう。

また、豆腐干自体は味がとても淡泊なので、一般的に味付けをして食べることが多いのですが、調味料には食塩や砂糖が含まれています。そのため、使いすぎると塩分や糖質、脂質を摂りすぎてしまう可能性があるので、くれぐれも注意しましょう。

なお、豆腐干は低糖質ということで人気を集めていますが、お伝えしたように、過度な糖質制限は健康面にも美容面にも悪影響を及ぼすことがあります。たとえば、低血糖状態を招いてめまいや頭痛などの症状を引き起こしたり、便秘や筋肉量の低下などを招いたりします。

そのため、豆腐干を取り入れる際もまずは3食バランスのとれた食事を基本としましょう。その上でたとえば、食べ過ぎてしまった翌日の調整メニューとして豆腐干を取り入れたりするのがおすすめです。

豆腐干はどうやって食べればいい?

510_04.jpg

ここまで読んで、豆腐干を食べてみたいと思った人がいるかもしれません。残念ながらまだ日本では、一般的なスーパーなどでは手に入りにくいのですが、中華食材の専門店やネット通販などを通して購入することができます。

これらの販売先では基本的に冷凍された状態で売っているので、自分で調理する際には半日ほど冷蔵庫に入れておき、解凍してから茹でるようにしましょう。なお、茹で時間は、製品の表示を確認し、それに従ってください。

下ごしらえが済んだら、お好みのレシピに合わせて調理します。たとえば、中華麺やパスタの代わりとして、ほかの食材と炒めたりするのもおすすめです。また、茹でた後に水にさらして冷やし、生野菜や調味料、ドレッシングなどと一緒に和えればサラダにもなります。このように、アレンジ次第でいろいろな食べ方ができるので、試してみてください。

豆腐干を使った簡単レシピ

510_05.jpg

最後に、簡単かつヘルシーなおすすめレシピをご紹介します。

豆腐干の中華サラダ

材料(2人分)

・豆腐干50g

・きゅうり1/2本

・にんじん3㎝

・ごま油大さじ1/2

・鶏がらスープの素小さじ1

・醤油小さじ1

・砂糖小さじ1

・酢小さじ1

 

作り方

1.豆腐干を解凍し、表示通りに下茹でしたら、水にとって冷まして水気を絞る。

2.きゅうり、にんじんは千切りにして塩もみする。 

3.すべての材料を合わせて和える。

冷蔵庫で半日ほど置くと味がなじんでおいしくなります。また、きくらげやパクチー、大葉などを加えるのもおすすめです。

今回は、豆腐干についてご紹介しました。豆腐干自体はクセがなく淡泊な味ですが、その分、工夫次第でさまざまな料理にアレンジできます。ヘルシー食材を上手に活用して、おいしく、健康的な食事を楽しみたいですね。

まとめ

  • 豆腐干は、かための豆腐を圧縮し脱水することで作られた食材で、おもに中国や台湾などで食されている
  • 低糖質、高たんぱくな食材として日本では人気を集め、麺類の代替品としてアレンジされることが多い
  • 豆腐干の栄養面における特徴として、良質なたんぱく質が豊富、主食よりも糖質が少ない、大豆イソフラボンやサポニンなど、身体にうれしい栄養素が含まれている、ビタミンやミネラルも多い、といったことがあげられる
  • 豆腐干自体は低糖質でカロリーも低めだが、たくさん量を食べると結果としてカロリーオーバーにつながる可能性はある
  • 味付け次第で、糖質や塩分、脂質の摂りすぎになることがあるので要注意
  • 豆腐干は冷凍して販売されていることが多いので、調理前に解凍し、その後茹でるなどの下ごしらえに入ること
文/品川美容スタッフ

▼関連記事

category