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韓方(韓国読みでハンバン)」という言葉を聞いたことがありますか?

韓国独自で発展した韓方は、生活の中に自然と根付いているもので、美容大国、韓国の人の美しさの鍵とも言えるものです。美容やダイエットにも役立つ、韓方の基本についてお伝えします。

 

韓方とは?

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韓方」と言う文字を見ると、「漢方」の間違い?と思った方もいるのではないでしょうか。実と呼ばれた昔の中国の伝統医学が、日本に伝わり、東洋医学として独自の発展を遂げたものが「漢方」。一方、韓国独自で発展したものが「韓方(ハンバン)」です。ルーツを同じくするため、漢方と韓方の根本的な考え方は共通する部分もありますが、細かい部分は異なります。

日本において、漢方の考え方は西洋医学の中にも取り入れられていますが、東洋医学だけで診察を行う漢方医という存在はいません。一方、韓国では、西洋医学、東洋医学、それぞれを学ぶ医学部があり、医師免許が与えられるとのこと。「韓医学」とも呼ばれる韓方は、韓国の人々の生活に根付く医学の一つで、専門の医療機関が多数あります。

韓方の特徴

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韓方医学の基本は、「ホ・ジュン」という李氏朝鮮時代の医師が、6年かけて体系立て記した医学書「東宝医鑑」がベースとなっています。これは現在の医学部の教科書としても使用されており、一庶民から王の主治医まで出世したホ・ジュンは、韓国ドラマでもたびたび題材となっています。

そんな韓方の特徴の一つとしてあげられるのは、「四象診断」。脈診や問診によって、人の体質を「太陽人」、「少陽人」、「太陰人」、「少陰人」の4種類に分けて診察するものです。見た目や性格なども判断材料となり、四象診断を受けることで、一人ひとり違う体質にあった生活週間や、体質に合う食べ物、合わない食べ物、などを知ることができます。

また、韓医学は気の流れを重視しており、体の調和がとれずに気の流れが悪くなると、さまざまな病気になったり、肥満や肌トラブルも起こると考えます。そのため気の流れを妨げる毒素を体内から除去することも大切。経路マッサージで気の流れをスムーズにし、鍼やお灸の治療を受けることも韓方におけるアプローチです。

韓方と美容の関係

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韓方には「薬食同源」という言葉があります。これは、韓国の人々に広く浸透しているもので、「食べ物は薬とその根源は同じ」という意味。人間の体が食べたものでできていることはもちろん、口にした食べ物からエネルギーを生み、そのエネルギーを使うことで体を動かしています。

そのため、何を食べるかということがとても大切。体に良い食材を日頃から食事に取り入れることが健康に繋がると考えられています。また美しさを求めるためには、まず、体が健康であることが重要。食べ物と健康、美容は密接に関わっていると言えます。

さらに、韓医学では、肌も胃や心臓と同じような一つの臓器として捉えられます。シミやくすみ、ニキビといった肌トラブルも、単に皮膚だけに生じている問題ではなく、体のさまざまな臓器と関わっているもの。例えば消化機能が落ちると肌が乾燥したり、子宮の機能が低下して老廃物が溜まると肌が荒れ、太りやすくもなるといったように考えられます。

逆に、サウナや経路マッサージといったインナーケアで体の老廃物を排出し、気血循環が円滑になると、疲労回復や健康増進はもちろん、肌をキレイにしたり、ダイエットの効果も。韓方の考え方で体のケアを見直すことは、美容にも直結します。

韓方を生活に取り入れるには

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このように韓方は、日常の生活に取り入れることで、健康増進や体の不調を改善するだけでなく美容やダイエットなどさまざまな効果を期待できます。韓方を実践しようと思っても「何から始めれば?」と思うかもしれませんが、韓国では暮らしに自然と馴染んでいるもの。難しく感じる必要はありません。

まず、韓国料理には、韓方で薬剤として使われているものが食材としても多く使われています。たとえば生姜は体を温めて消化を促し、血液の流れをスムーズにする作用があり、冷えや風邪の予防にも効果的。また、にんにくは疲労回復や滋養強壮作用があります。その他、長芋やれんこん、小豆、黒豆、梅、シナモン、ごま、かぼちゃなど、日本でもなじみ深いこのような食材は、韓方食材としていろいろな効能を持っています。

薬膳料理を食べなければと気を張らずとも、韓方食材を普段の食事に取り入れたり、参鶏湯やスンドゥブといった韓国料理に挑戦するのも良いでしょう。また、美容の効果を期待できる伝統茶や韓方茶を飲むこともおすすめです。

さらに、体の老廃物を溜めないようにするには、インナーケアも重要です。サウナや経路マッサージなどを取り入れると、疲労回復や健康増進効果を得られ、肌やボディラインをキレイに保つことにもつながります。サロンで施術を受けることが難しい場合は、自宅でゆっくり半身浴をしたり、足浴をすることも良いでしょう。

より効果を得たい時は、韓方生薬の力を

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韓方の効果をより得たい場合は、韓方生薬を取り入れる方法もあります。たとえば韓方(または漢方)生薬ダイエットとして用いられる韓方薬などは、日本で取り扱っているクリニックもあり、韓国へ行かなくとも処方を受けられるようになってきました。

また、韓方薬や漢方薬はにおいが強かったり、苦くて飲みづらいといったイメージもありますが、この頃はドリンクタイプや丸薬タイプも登場し、飲みやすくなっています。食事制限や運動はしたくない、ダイエットしてもなかなか脂肪が落ちないといったお悩みがある場合は、韓方薬を試してみることも選択肢の一つです。

古くから民間療法や自然健康法の形で、生活の中に自然と根付き、今では科学的にもその健康や美容効果が認められている韓方。暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。

まとめ

  • 韓方は中国の伝統医学が、韓国に伝わり、独自の発展を遂げたもので専門の医療機関もある
  • 日本の漢方と根本的な考え方は共通するが、細かい部分は異なる
  • 韓方には、人の体質を四種類に分ける「四象診断」という診断方法がある
  • 韓医学では、気の流れが滞るとさまざまな体の不調や肌トラブルが起こると考える
  • 食べ物と健康、美容は密接に関わっており、韓方の考え方は普段の食事にも自然と根付いている
  • 肌も臓器の一つであり、肌トラブルの原因には体のさまざまな不調が関わっていると考える
  • 身近な韓方食材や伝統茶などを取り入れることで、韓方はだれでも実践できる
  • サウナや経路マッサージ、半身浴などで老廃物を溜めないようにすることも大切
  • 韓方の効果をより得たい場合は、韓方生薬を試す方法もあり、日本でも処方を受けられる
文/品川美容スタッフ

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