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せっかく運動するならば、効率よく体を鍛えたいもの。トレーニングをする中で迷いがちなのは、筋肉痛の時の運動です。

実は筋肉痛が起こっている際、筋肉は「超回復」と呼ばれる状態になっています。

筋力アップのカギとなる超回復についてご説明します。

筋力アップには休息が必要不可欠

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体を鍛えたい時、とにかくやみくもにトレーニングを重ねていませんか?

実は運動によって筋力を鍛えるには、休息が必要不可欠。がむしゃらに運動をすれば良いというものではありません。その仕組に関わっているのが、今回ご紹介する「超回復」です。

筋力トレーニングなどハードな運動をすると、体はエネルギーが枯渇したり、筋繊維の損傷が起こったり、疲労が蓄積するなどして、一時的に体力は低下します。

しかし、その時に適切な休息をとると、損傷を受けた筋繊維は修復される過程で元よりも少し太くなります。この現象が「超回復」と呼ばれるものです。超回復に関する理論は「超回復理論」と呼ばれ、さまざまな研究がなされていますが、超回復のカギは、適切な休息と言われています。筋肉が損傷し、炎症を起こしている状態である筋肉痛の時に、さらにトレーニングを行うと、超回復の過程が機能しません。ですから効率の良い筋力アップには、休息が必要不可欠なのです。

超回復のメカニズム

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さて、この超回復がスムーズに行われるためには、十分な休息だけでなく、栄養が必要です。また、筋肉がダメージをうけ筋繊維の一部が破断されたあと、筋肉が修復されてより強くなるためには、一般的に24〜48時間ほど必要とされています。

つまり、超回復は「一晩休めば終わっている」というものではありません。たとえば毎日ハードな筋トレを行うなど、48時間の間隔をあけずに同じ運動を繰り返していると、筋肉が十分に回復する前に再びダメージをうけてしまうため筋肉が成長せず、疲労も蓄積してしまいます。

一方、休息を長くとりすぎてしまうと、元の状態に戻ってしまうのも筋肉の特徴。効率良く筋力トレーニングを行うためには、このメカニズムを理解し適切な休息を確保した上で、十分な栄養を摂ることも大切です。

筋肉痛の対処法

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ここまでお伝えしてきたように、ハードな運動をして筋肉痛があるときは、超回復が起こっている状態と考えられます。そのため、一番の対処法はまず休息。「運動したほうが筋肉痛は早く治る」といった通説も聞かれますが、痛みのでている部分はきちんと休めてケアしましょう。

また、痛みがひどい場合は、アイシングで炎症を抑えることが効果的ですが、痛みがある程度引いたあとは、温めることを意識しましょう。血行が良くなると、筋肉に溜まった疲労物質が流れやすくなり必要な酸素や栄養も取り込みやすくなるため、筋繊維の修復が効果的に行われます。

38〜40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かったり、蒸しタオルやカイロを使って温めましょう。ただし、低温やけどのリスクもあるため、温めすぎには注意が必要です。さらに、軽いストレッチやマッサージも、血行改善に効果的です。

次に食事のポイント。まず意識して摂りたいのは、筋繊維の修復に欠かせない良質なタンパク質です。また、たっぷりな野菜を意識しつつバランスの良い食事を心がけると、糖質や脂質の代謝をスムーズにするビタミンB群や疲労回復に欠かせないビタミンCなども摂ることができます。

筋肉痛がある時は、十分な休息と栄養バランスを意識した食事をとり、ストレッチやマッサージを行うと、早い疲労回復につながります。

効果的な運動を継続するには

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超回復の知識を得た上で効果的な運動を継続するには、自身の体の状態に目を向け、コンディションに合ったトレーニングをすることが重要です。

筋肉痛がある時は、超回復が起こっていると考えられますが、痛みがなければ超回復が起こっていない、というわけではありません。また、筋肉の痛みは、ダメージをうけた筋繊維が修復される段階で、発痛物質が分泌され、筋膜を刺激することで生じると考えられていますが、慣れているトレーニングであれば、筋繊維をほとんど傷つけることなく行えることも多くあります。

そのような場合は、あまり筋肉痛を生じませんが、筋肉はそれだけ成長している証拠とも言えるため、少し負荷を増やすトレーニングに変更すると、より筋肉が鍛えられるでしょう。

超回復の効果を高めるには、24〜48時間程度の休息が重要ですが、トレーニングの部位を分ければ、毎日の運動も可能です。超回復が起こるのは、トレーニングの負荷がかかった部位のみとなるため、日替わりで、腕、下半身、胸、背中など、自分の目的に合わせて鍛える部位を変えていくと効率よく運動と休息のバランスがとれます。

このように、トレーニング方法には様々なバリエーションがあるため、目的やライフスタイルに合った計画を立て、十分な休息を確保することが重要です。また24〜48時間かかるという超回復現象の時間はあくまで目安であり、トレーニング内容や体調によっては、より長く休息をとる必要があるケースもあります。体の声に耳を傾けながら、効果的な運動を継続しましょう。

まとめ

  • 運動すると、エネルギーの枯渇や筋繊維の損傷、疲労の蓄積等により、体力は一時的に低下する
  • 損傷を受けた筋繊維が、修復される過程で元よりも少し太くなる現象を「超回復」と呼ぶ
  • 超回復には、およそ24〜48時間程度の休息と十分な栄養が必要とされる
  • 超回復がスムーズに行われるには、十分な休息が必要だが、長すぎると筋肉は元の状態に戻ってしまう
  • 筋肉痛の急性期はアイシングで炎症を抑える
  • 痛みが落ち着いた後は、体を温めたりストレッチ、マッサージをすることで血行が良くなり疲労回復が早くなる
  • 筋肉痛があるときは、良質のたんぱく質やビタミンB群、ビタミンCを意識したバランスの良い食事を摂ることも大切
  • 筋肉痛がなければ超回復が起こっていない、というわけではない
  • 効果的な運動を継続するには、体の状態を注意深く把握し、コンディションに合うトレーニングをすることが重要
文/品川美容スタッフ

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