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健康や食事に気を遣っている人を中心に人気を集める玄米。白米よりも栄養価が高いことで知られていますが、実際、どのような健康効果が期待できるのでしょうか。

また、数年前から「酵素玄米」も注目されています。そこで、玄米の栄養素や酵素玄米との違いについて、解説します。

白米よりも優秀!?玄米の栄養価

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そもそも玄米とは精白前のお米で、表皮や胚芽といった「糠(ぬか)」が付いた状態のものをいいます。

一般的に玄米は白米に比べて栄養価が高いことで知られていますが、その秘密はこの糠にあります。糠には、次のような栄養素が多く含まれています。

不溶性食物繊維

便秘解消や腸内環境を整える食物繊維。中でも、水に溶けにくい性質を持つ「不溶性食物繊維」には、便のカサを増したり、腸を刺激して排便を促す働きがあります。

玄米にはこの不溶性食物繊維がとくに豊富で、炊いた状態で比較すると、その量は白米の約2倍にもなることがわかっています。

ビタミンB1

玄米の糠は、白米の約8倍ものビタミンB1を含んでいます。ビタミンB1には、糖質がエネルギーに変わるのを助ける働きがあります。

糖質は重要なエネルギー源。とくに神経や筋肉ではたくさんのエネルギーを使いますから、生き生きと生活するために欠かせないビタミンです。ビタミンB1は現代人に不足しがちな栄養素といわれていて、とくにインスタント食品などを多く摂っている人は要注意です。

マグネシウム

玄米には、白米の約7倍のマグネシウムが含まれています。マグネシウムはミネラルの一つであり、骨が作られるのを助けたり、たんぱく質の合成などに関わっています。

また、神経伝達物質が正常に働くのをサポートしたり、心機能や筋肉の収縮など、身体のさまざまな働きを助けています。マグネシウムも現代人に不足しやすい栄養素の一つです。たとえば、偏った食生活のほか、過度な飲酒やストレスなどが不足の一因になります。

γ(ガンマ)オリザノール

聞きなれない名前ですが、玄米に含まれるγオリザノールは、血糖値の上昇を抑えたり、血液中の脂質を低下させるのに役立つのではないかといわれています。また動物実験では、脳に作用して食欲を抑える作用があることもわかっていて、生活習慣病やメタボリックシンドローム改善などへの効果が期待されています。

このように、白米に比べて栄養価の高い玄米ですが、「味や食感が苦手で食べられない」という人も多いのではないでしょうか。そんな人を中心に注目されているのが、酵素玄米です。

玄米と酵素玄米の違い

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酵素玄米は、玄米を炊いてから3日間ほど保温させたもののことで、「発酵玄米」などとも呼ばれています。

しっとり、もちもちとした食感になることから、玄米が苦手な人でも美味しく食べられると、数年前から人気を集めています。ただし、酵素が増えるかどうか、また、発酵が進むことで栄養価が高まるかどうかは、明確にはわかっていないのが現状です。

ですから、現時点では、白米に比べて栄養価が高い玄米を取り入れやすいことが、酵素玄米の最大のメリットといえるでしょう。


酵素玄米は、塩や小豆などと一緒に炊くのが一般的です。塩を加えると、玄米や小豆の苦み、えぐみを緩和することができます。また小豆には、老化防止に役立つポリフェノールや、コレステロールなどの増加を防ぐサポニンなども含まれています。さらに、小豆と一緒に炊くことで、玄米に少ないアミノ酸の「リジン」を補うことができます。

よりさまざまな栄養素を摂取したい人や、もちもちとした食感が好きな人は、酵素玄米を試してみるとよいでしょう。

玄米と酵素玄米のおいしい炊き方

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ここで、玄米と酵素玄米のおいしい炊き方をご紹介しましょう。土鍋や圧力鍋など、ご家庭によってさまざまな方法があると思いますが、ここでは炊飯器での炊き方をご説明します。

玄米のおいしい炊き方

まずは、玄米のキホンの炊き方を知っておきましょう。

(1)玄米を研ぐ

優しく汚れを落とすように研ぎます。水を交換して数回洗ったら、お米を両手ですくって手のひらですり合わせながらもみ洗いをしましょう。玄米に傷がつくことで吸水が良くなります。泡立て器を使うのもおすすめです。

(2)浸漬(しんせき)する

炊飯器に玄米モードがある場合には、メモリに合わせて水を入れます。浸漬時間の目安は6~8時間。白米に比べて水を吸いにくいので、長時間、水に漬けておくことがおいしく炊くコツです。なお、夏場は腐敗を防ぐために、冷蔵庫で浸漬しましょう。

(3)炊飯して蒸らす

炊飯器で炊きます。玄米モードがない場合には、通常の炊飯モードで炊きましょう。その後、10分ほど蒸らします。

酵素玄米のおいしい炊き方

(1)玄米と小豆を洗う

小豆は乾燥したものを使用します。玄米と小豆をボウルなどに入れて、優しく洗います。数回水をかえて洗い、表面のホコリなどを取り除きます。小豆の量は玄米1合あたり7~10gが目安ですが、お好みで調節してください。

(2)浸漬する

玄米と小豆を炊飯釜に入れて、水を注ぎます。玄米の目盛がある場合にはそれに合わせて水を注いだ後、小豆と同量程度の水(小豆10gであれば水10ml)を足します。玄米の目盛がない場合には、半合多めに水を入れましょう。その後、塩少々を加えて全体を軽く混ぜます。その状態で、6~8時間浸漬します。

(3)炊飯する

炊飯します。玄米モードがない場合には、通常の炊飯モードで炊きましょう。

(4)保温の状態で3日ほど置く

保温モードのまま、3日間ほど置きます。1日1回程度、炊飯器を開けて全体をかき混ぜます。炊飯から3日ほどで食べごろになります。炊き上がってから3~4日を目安に食べきりましょう。

なお、最近では酵素玄米専用の炊飯器も販売されています。作り方や水の量などが異なる可能性がありますので、取扱説明書などをよく確認するようにしましょう。

玄米や酵素玄米を食べるときの注意点

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お伝えしたように、白米よりも栄養価の高い玄米や酵素玄米。さまざまな健康効果があることをお伝えしましたが、食べすぎには注意が必要です。

というのも、玄米も白米と同じく炭水化物がおもな栄養素の食品。カロリーは白米とほぼ同じくらいです。食べすぎると肥満などの原因にもなりますから、1食あたりの量は、お茶碗に軽く1杯程度を目安にしましょう。

この量で物足りなさを感じる場合には、咀嚼回数が少ない可能性がありますから、しっかり噛んで玄米の美味しさを味わってみてください。スムーズな消化を助ける上でも、よく噛んで食べることは大切です。

さらに、玄米だけでなく、主菜や副菜、汁物など、さまざまな食品を一緒に摂ると、栄養バランスが整い、噛む回数もさらに増えて食べすぎ防止にもつながります。

まとめ

  • 玄米とは精白前のお米で、表皮や胚芽といった糠が付いている
  • 玄米には便秘解消に役立つ不溶性食物繊維が豊富で、その量は白米の約2倍
  • 玄米の糠には、白米の約8倍ものビタミンB1が含まれている
  • 玄米には、白米の約7倍のマグネシウムが含まれている
  • 玄米に含まれるγオリザノールは、血糖値の上昇を抑えたり、血液中の脂質低下に役立つ可能性があるのではないか、といわれているほか、食欲を抑える作用があることもわかっている
  • 酵素玄米は、玄米を炊いてから3日程保温させたもので、玄米よりもしっとり、もちもちとした食感をしている
  • 玄米や小豆に塩を加えると、えぐみなどを抑えることができる
  • 小豆には、老化防止に役立つポリフェノールや、コレステロールなどの増加を防ぐサポニンなども含まれているほか、リジンを補うこともできる
  • 玄米を美味しく炊くポイントは、しっかり浸漬すること
  • 酵素玄米は炊き上がってから3日間ほど、保温モードのまま置くが、毎日1回は炊飯器を開けて全体をかき混ぜるようにする
  • 玄米や酵素玄米をとる際はしっかり噛んで食べることや、全体の栄養バランスを意識すること、さらには食べすぎに注意することが大切
文/品川美容スタッフ

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