210105_SBN_logo_pink.svg

460_0.jpg

美容に関わるビタミンと言えばビタミンCが有名ですが、ビタミンB群も美しい身体作りに欠かせません。そこで、ビタミンB群の種類や働きについて、詳しく解説します。

ビタミンB群とは

460_01.jpg

ビタミンB群とは、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、そしてビオチンの総称です。これらはすべて水溶性のビタミンで、かつ、体内で起こる化学反応を助けるという共通点があります。

このように似た性質や働きを持つことから、発見された当初は一つの物質と考えられていました。ところが、後に異なる働きを持つことがわかり、現在では8種類それぞれが別物と考えられるようになっています。

ビタミンB群の種類と働き

460_2.jpg

ビタミンB群は「代謝ビタミン」と呼ばれていて、エネルギーを作ることに関与しています。また、次のように体内ではさまざまな働きに携わっています。

ビタミンB1   

糖質をエネルギーに変えたり、神経が正常に働くのを助けます。また、アルコールの代謝にも関与しています。不足すると、疲労感や肩こり、筋肉痛、集中力の低下、二日酔いなどを引き起こします。

ビタミンB2

脂質をエネルギーに変える、皮膚・粘膜の代謝に関与する、身体の成長を促すなどの働きがあります。不足すると、脂質が酸化しやすくなったり、口内炎や皮膚・粘膜の炎症が起こりやすくなります。また、成長のスピードが遅くなります。

ナイアシン

エネルギーの産生に関与しています。また、皮膚・粘膜の炎症を防いだり、神経の働きを正常に保っています。不足すると、イライラしたり不安を感じやすくなるほか、口内炎や皮膚炎、下痢などを引き起こします。

パントテン酸

たんぱく質や脂質、糖質の代謝に関与するほか、副腎皮質の機能を正常に保ちます。不足すると、手や足のしびれ、頭痛、疲労感、胃の不快感を伴う食欲不振などを引き起こします。

ビタミンB6   

免疫機能や皮膚の健康に関わっています。また、赤血球の合成などを正常に保つ、神経伝達物質の生成を助けるといった働きがあります。不足すると、皮膚のかゆみ、皮膚炎、貧血、下痢、うつ状態などを引き起こします。

ビタミンB12

葉酸と協力して赤血球の合成を助けたり、神経の機能を維持します。不足すると、貧血、しびれ、知覚異常などを引き起こします。

葉酸

ビタミンB12と協力して赤血球の合成を助けます。また、たんぱく質の合成を促したり、細胞分裂や細胞の再生をサポートします。不足すると、貧血、胎児・乳幼児の成長不良、学習能力の低下などを招きます。

ビオチン   

エネルギー産生に関わっています。また、皮膚・粘膜、爪、髪の毛の健康を保ったり、筋肉痛を緩和します。不足すると、脱毛、食欲不振、吐き気、皮膚炎、筋肉痛、うつ状態などを引き起こします。

美容に欠かせないビタミンB群

460_3.jpg

ここまで、ビタミンB群の働きをそれぞれ詳しく紹介しました。これらが正常に働くことは健康な身体作りに不可欠ですが、美容の上でもビタミンB群は重要です。

太りにくい身体を作る

食事から摂る糖質や脂質、たんぱく質は、身体のエネルギー源となる重要な栄養素です。ただし、エネルギーとして使われない分は、体脂肪として体内に蓄積されてしまいます。

加齢や運動不足によってエネルギーの消費量が減少すると、体脂肪の増加を招くことはよく知られていますが、エネルギーを作る過程で必要なビタミンB群が不足していることも、理由の一つになります。燃やせる身体を維持するためには、ビタミンB群をしっかり摂ることがとても大切です。

美肌を保つ

ビタミンB群の多くは、皮膚のおもな構成成分であるたんぱく質の働きに関与していて、健康でハリのある肌作りに欠かせません。また、皮膚炎などの炎症からも守る働きがあります。さらに、ホルモンの分泌や働きにも携わっています。成長ホルモンや女性ホルモンなどは、皮膚の健康に関わるホルモンです。

精神を安定させる

ビタミンB群は、神経伝達物質の分泌や、神経を正常に保つためのエネルギー産生に関与しています。イライラしたり、気分が落ち込むと、暴飲暴食や食欲不振、睡眠不足、運動不足など、生活習慣が乱れやすくなりますが、これらの習慣は美容にとって大敵。

ストレスを溜めずに美しい身体と心を維持していくためにも、ビタミンB群をしっかり摂りましょう。

ビタミンB群が多く含まれる食品

460_4.jpg

ビタミンが多い食品というと、野菜や果物を想像するかもしれませんが、メインのおかずになるような肉、魚介類、豆類、卵などの食品にたくさん含まれるのが、ビタミンB群の特徴です。

そのほか精製されていない穀物、緑黄色野菜など、幅広い食品に含まれます。つまり、ビタミンB群を十分に摂るためには、主食、主菜、副菜をそろえたバランスの良い食事を目指すことがとても重要です。

ビタミンB群が不足しやすい人とは?

460_5.jpg

規則正しい食生活を送っていれば、ビタミンB群が欠乏することはあまりありません。

ただし、偏った食生活でビタミンB群の摂取量が減ったり、何らかの理由で消費量が増えると、不足しやすくなります。たとえば、次の項目に当てはまる人は注意しましょう。

ビタミンB群の摂取量が少なくなる理由

  1. ・欠食の習慣がある
  2. ・菜食主義など、極端に栄養バランスの偏る食事が多い
  3. ・糖質や脂質を摂り過ぎている
  4. ・加工食品ばかりを食べている(食品の精製、加工、保存の過程でビタミンB群の量が減ってしまうため)

体内でビタミンB群の消費量が増える理由

  1. ・お酒をたくさん飲む習慣がある(※女性の場合、1回にアルコール20g程度に抑え、週2回の休肝日を作ることが適当)
  2. ・過剰なストレスにさらされている
  3. ・妊娠中、あるいは授乳中
  4. ・加齢

ビタミンB群を摂る際の3つのポイント

460_6.jpg

ビタミンB群を効率よく摂るために押さえたいポイントを3つご紹介します。

こまめに摂る

ビタミンB群は水溶性で、体内に溜めておくことができません。体内で効率的に使われるようにするためには、こまめに摂ることがポイントです。

 単独はなく、ビタミンB群として摂る

8種類のビタミンB群には相乗効果があり、お互いの作用を助け合っています。そのため、どれか一つだけではなく、まとめて一緒に摂るほうが体内で効率的に作用します。

食事には、さまざまなビタミンB群が一緒に含まれることが多いのですが、サプリメントで摂る場合には、どれか一つではなく、「ビタミンB群」や「マルチビタミン」を選ぶのがおすすめです。

 ほかの栄養素と一緒に摂る

ビタミンB群は、糖質やたんぱく質など、体内でさまざまな栄養素の働きをサポートしています。ですから、いろいろな栄養素と一緒に摂るほうが、ビタミンB群の役割を最大限に活かすことができます。お伝えしたように、バランスの良い食事を心がけていると、ビタミンB群をはじめ、さまざまな栄養素を効率的に摂ることができます。

規則正しくバランスの良い食生活を心がけ、ビタミンB群が豊富に含まれる食材を積極的に摂っていれば、基本的に不足することはありません。とはいえ、忙しい日々を送っていると、食事のバランスが乱れがちになることも。そのようなときには、サプリメントで補うのもひとつの方法です。サプリメントを活用する際は、上に挙げたポイントを参考に、用法用量を守って飲むようにしましょう。

まとめ

  • ビタミンB群とは、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチンの総称
  • ビタミンB群には、すべて水溶性のビタミンで、かつ、体内で起こる化学反応を助けるという共通点がある
  • ビタミンB群は「代謝ビタミン」と呼ばれていて、エネルギーを作ることをはじめ、さまざまな働きに関わっている
  • ビタミンB1は、糖質の代謝、神経の正常な働き、アルコール代謝に関わる
  • ビタミンB2は、脂質をエネルギーに変化させる、皮膚や粘膜の代謝に関与する、身体の成長を促すなどの働きがある
  • ナイアシンは、エネルギーの産生に関与していて、皮膚や粘膜の炎症を防いだり、神経の正常な働きにも関わる
  • パントテン酸は、たんぱく質や脂質、糖質の代謝に関与していて、副腎皮質の機能にも関わっている
  • ビタミンB6は、免疫機能や皮膚の健康に関わったり、また、赤血球の合成などを正常に保つ、神経伝達物質が生成されるのを助けるといった働きがある
  • ビタミンB12は、葉酸と協力して赤血球の合成を助けたり、神経の機能を維持する
  • 葉酸は、ビタミンB12と協力して赤血球の合成を助けるほか、たんぱく質の合成を促したり、細胞の生産や再生をサポートする
  • ビオチンは、エネルギーの産生、皮膚や粘膜、爪、髪の毛の健康保持、筋肉痛の緩和に関わる
  • ビタミンB群には燃やせる身体を維持する、美肌を保つ、精神を安定させるなどの働きがあり、美容面でも重要な役割を担っている
  • ビタミンB群は肉、魚介類、豆類、卵などの食品にたくさん含まれるほか、未精製の穀物、緑黄色野菜などにも多い
  • ビタミンB群は欠乏しにくい栄養素だが、栄養バランスの乱れた食事や加工食品の過剰摂取、アルコールをたくさん飲む習慣、過度なストレス、妊娠授乳中、加齢などの要因によって、不足することがある
  • こまめに摂る、(単独ではなく)ビタミンB群として摂る、ほかの栄養素と一緒に摂ることなどが効率よくビタミンB群を摂取するポイント
文/品川美容スタッフ

category