210105_SBN_logo_pink.svg

457_0.jpg

かつては中高年の男性が入るもの、というイメージが強かったサウナ。けれども、最近は若い世代からも人気を集めていて、話題になっています。

また、オシャレなサウナ施設も充実してきていて、最近ではサウナを併設したコワーキングスペースなども増えてきています。サウナは健康や美容に良いというイメージが強いですが、実際どうなのでしょうか。サウナの効果や人気の理由を解説していきます。

サウナの歴史と種類

457_01.jpg

サウナの起源についてはいろいろな説がありますが、2000年以上前にフィンランド民族が作ったのが始まりだといわれています。

「サウナ」という言葉もフィンランド語で、もともとは発汗風呂のことを指しているといわれています。今ではさまざまな種類のサウナがあり、たとえば、フィンランドにはスモークサウナ(煙突のない小屋などでストーブを炊いて暖めるサウナ)、ホットキューブサウナ(組み立て式の木製サウナ)、アイスサウナ(雪の中にストーブを使って暖めるサウナ)などがあります。また、コミュニケーションの場としてイベントなどにも活用されています。

そして、日本にもさまざまなタイプのサウナが登場しています。

日本でサウナと言えば、高温(70~100℃)・低湿度に保たれたドライサウナが一般的ですが、このほかにも、サウナストーンに水をかけて高温の水蒸気を発生させるロウリューや、低温(40~60℃くらい)・高湿度(80~100%)に保たれた低温サウナ、また、ミストやシャワーを使ったミストサウナなど、さまざまなタイプのサウナが楽しめるようになってきています。

サウナーと「ととのう」体験

457_02.jpg

サウナを楽しむ人たちの中では、次のような業界用語があるといわれています。

  1. ・サウナー:サウナ好きの人、サウナ愛好家
  2. ・プロサウナー:サウナを楽しむだけでなく、魅力の発信や啓発に携わる人たち
  3. ・ととのう:サウナを通して心身が気持ちのよい状態に導かれること
  4.  

中でも、3つ目の「ととのう」という感覚に魅了されて、サウナーになる人が少なくないといわれています。この「ととのう」という感覚について、慶応義塾大学医学部の特任助教で、サウナ学会代表理事の加藤容崇医師は、サウナと水風呂、そして休憩(外気浴)というサイクルを繰り返すことで、血流や心拍、血圧、自律神経、ホルモン、脳波などに変化が起こることが関係しているのではないか、と指摘しています。

加藤医師によると、サウナ前後の脳波を調べたところ、脳はリラックスしながらも、感覚系や認識系の領域が局所的に活性化されることが明らかになったそうです。そのため、身体や脳のこうした変化が「ととのう」という感覚と関係しているのではないか、と話しています。

このようなサウナーたちの間で知られる「ととのう」という感覚については、引き続き研究がすすめられていますが、このほかにもサウナは、健康や美容に一定の効果があることがわかっています。

 

サウナの効果①温熱作用

457_03.jpg

サウナについてはこれまでいろいろな研究が行われていますが、広く認められているのは、温熱作用による効果です。サウナに入って身体が温まると、血流が良くなって、次のような健康・美容効果を期待できます。

疲労回復

細胞から出された老廃物や二酸化炭素は、血液を巡って回収されています。血流が良くなると、スムーズにこれらが運ばれるようになり、疲労回復を促します。また同時に、体外から取り込まれた新鮮な酸素や栄養も、血液の流れに乗って細胞に届けられますから、血流が良くなることは、健康で生き生きとした身体を保つ上でもとても重要です。

肌トラブルの予防

ほかの組織と同じように、肌の細胞も血液中の酸素や栄養を取り込んでいますし、また、老廃物などは血液によって回収されています。血流が悪くなると、肌の新陳代謝も悪くなったり、栄養・水分不足に陥りやすくなって、くすみやごわつきといった肌トラブルにつながります。

サウナの効果②ヒートショックプロテイン

457_04.jpg

サウナに入ることで、「ヒートショックプロテイン」というたんぱく質が放出されることがわかっています。

ヒートショックプロテインが出されるためには一定の条件があって、身体の中心部分の体温(深部体温)が38℃を超えること、そして、その後も一定時間、身体が保温されることが必要です。ちなみに、深部体温はドライサウナよりも、湿度の高い低温サウナやミストサウナのほうが高くなりやすい、といわれています。

では、ヒートショックプロテインが放出されると、身体にどのような変化が起こるのでしょうか。詳しくみていきましょう。

免疫機能の改善

ヒートショックプロテインは、細胞の修復を促す物質で、免疫細胞を活性化させるといわれています。

シミ・肌荒れの予防

ヒートショックプロテインは、紫外線からのダメージにも有効で、シミ予防にも役立つことがわかっています。また、肌の細胞も修復が進むため、肌荒れの予防にもつながるといわれています。

サウナに入るときの注意点

457_05.jpg

このようにサウナにはさまざまな健康・美容効果が期待できますが、無理をして入ると、かえって健康に害を及ぼす可能性があるので、注意が必要です。次のポイントを守るよう

サウナに入る時間

サウナの設定温度はタイプによって異なりますが、ドライサウナの場合は、90~100℃に設定されていることがあります。このような高温のサウナに長時間入っていると、当然ながら脱水などの危険を伴いますから、長くても10分間ほどで出るようにしましょう。もちろん、体調に異変を感じたら、入ったばかりでもすぐに出るようにしてください。

持病や体調の変化

サウナに入ると、血圧や脈拍などが大きく変化します。持病のある人は、サウナに入っても問題がないか、主治医に相談しましょう。また、とくに持病がない場合でも、体調が悪い時は控えるようにしましょう。

水分補給

サウナに入ると発汗量が増えます。これは高温のドライサウナに限らず、低温サウナなどでも同様です。サウナの前後はしっかりと水分補給をして、脱水状態にならないように注意しましょう。また、飲酒をした後はサウナには入らないようにしましょう。アルコールには利尿作用があるため、たくさん水分を摂ったつもりでも、身体は脱水状態に陥りやすくなっています。

以上の注意点をしっかり守って、健康的にサウナを楽しんでくださいね。

まとめ

  • サウナ発祥の地はフィンランド
  • 日本にもドライサウナ、低温サウナ、ロウリュー、ミストサウナなど、いろいろなサウナがある
  • サウナーの間では、サウナによって心身ともに気持ち良い状態になる感覚を「ととのう」と呼んでいる
  • 「ととのう」という感覚について、加藤医師は身体や脳の変化が関係していると考えている
  • サウナの健康効果で広く認められているのは、温熱作用による血流の改善
  • 血流が良くなることで、疲労回復や肌トラブルの予防などにつながる
  • サウナによって深部体温が高くなると、ヒートショックプロテインが放出されることがある
  • ヒートショックプロテインは細胞の修復を促すたんぱく質で、免疫機能の改善や肌荒れ・シミの予防にも役立つ
  • サウナに入る際は、入り過ぎに注意すること、持病・体調に合わせて入ること、水分補給をしっかり行うことなどの注意点を守ること
文/品川美容スタッフ

category