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身体をぶつけたときや、注射の後などに起こる内出血。目立つところにできてしまうと、人目が気になって困りますよね。
そんな内出血はどうして起こるのでしょうか。今回はその仕組みと治し方についてご説明しましょう。

 

「あざ」と「内出血」ってどう違うの?

「あざ」と「内出血」ってどう違うの?

「あざ」というと、身体をぶつけたときに皮膚が青色や紫色になった状態をイメージする方は多いのではないでしょうか。この状態は「青あざ(うちみ)」とも呼ばれます。

一般的には、皮膚の一部がまわりの色と異なって見える状態を「あざ」と呼びます。
「あざ」には様々な種類があり、あざができる原因も様です。
「青あざ(うちみ)」のほか、赤い血流が透けて見え、生まれつきある場合が多い「赤あざ」、シミなどと同じ分類となる「茶あざ」、ほくろと同じ分類となる「黒あざ」などがあります。

上に挙げたもののほかにも、蒙古斑(もうこはん)に代表されるように生まれつきのものもあれば、紫外線の影響や何らかの病気が関わっているものもあります。

基本的には、急にあざができた、時間が経っても消えないという場合には皮膚科・美容皮膚科に相談するのが良いでしょう。

今回は、日常的にだれもが作りやすい「青あざ(うちみ)」の原因である、内出血について解説します。

内出血による青あざ(うちみ)ができる仕組み

内出血による青あざ(うちみ)ができる仕組み

内出血は、その名の通り皮膚の内側で出血が起こってできるものです。
手のひらを良く見ると、細い血管が透けて見えます。私たちの皮膚の下には、これら目に見える血管だけでなく、さらに細かい毛細血管が網目のように広がっています。毛細血管の壁はとても薄いため、外側から衝撃が加わると破れてしまいます。

破れた血管の壁から出た血液は、じわじわと周りの組織に広がります。その状態が、赤血球の状態や光の影響を受けて、青色から紫色見えます。
皮膚の深いところや、皮膚が厚い部分で起こった内出血であれば、表面にまで広がらないうちに消えてしまうこともありますが、ぶつけやすい腕や足、顔などは比較的皮膚が薄いため、内出血が目立ちやすくなります。

採血や注射でも内出血が起こることがある

また、病院で受けた採血や献血、注射の際に内出血をしてしまったという方も多いようです。
注射の際に内出血が起こってしまう原因も上記同様、注射などの針が血管の壁を破ってしまった場合や、針を抜いた後の止血(採血などを受けた後に、その場所をしっかりと圧迫し、止血すること)が不足していた場合などに起こります。

注射のあとを止血するポイントは、皮膚に対して垂直にしっかりと圧迫することです。また、時間は5分程度を目安にしましょう。
ゆるく押さえるだけだったり、注射の痕を揉んだりしてしまうと内出血が起こってしまう場合があるので注意が必要です。

内出血が起こる可能性の高い人

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血液中に含まれる血小板という細胞や血液凝固因子と呼ばれるタンパク質は血液を固めて止血する働きがあります。しかし、血液を固まりにくくする薬を服用している方後天的な血液の病気を患っている方は、血小板や血液凝固因子に異常が生じる病気なため止血する働きが弱まり、些細な衝撃でも内出血が起こりやすくなると言われています。

その他にも、肩が凝りやすい方、冷え性の方、傷跡がなかなか治らない方、生理不順や子宮内膜症がある方は、血流が悪く内出血になりやすいと言われています。内出血がよくできる方は、血流の流れが悪くなっているサインなので、食生活や睡眠不足、ストレスなどに気をつけて生活をすることが大切です。

気づかないうちに内出血している原因

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人体には血小板や血液凝固因子のように止血する働きが備わっていますが、これらの機能が正常に機能していないと内出血が起こりやすくなります。

いつの間にかできていた内出血は、ほとんど痛みを伴うことがない為、多くの場合はそのまま放置しがちです。放置していても自然に治癒していきますが、身に覚えがないのに内出血がある場合は、別の病気である可能性があります。

ここでは考えられる病気について解説していきます。

原因①:老人性紫斑(ろうじんせいしはん)

老人性紫斑とは、加齢によって血管や周囲の組織がもろくなり、外部からの弱い衝撃をきっかけに手や足、顔などに内出血が起こることです。年齢とともに発症する確率が高くなりますが、一般的にこの病気による大きな影響は少ないため、治療をする必要は特にありません。

原因②:アレルギー性紫斑病

アレルギー性紫斑病とは、原因不明のアレルギー反応によって全身の毛細血管が炎症を起こし、血管が弱くなってしまうことで内出血が起こりやすくなる病気です。

ほとんどが3~10歳くらいまでの小児に起こりやすい病気で、細菌感染がきっかけになることが多いとされています。発症すると手足に痒みを伴う紫色のあざが無数に現れるのが特徴です。上気道炎(とくに溶連菌)や胃腸炎などの感染症を併発することもあるため、症状に合わせた治療が必要になります。

原因③:肝機能障害

肝臓は、血液を固める働きを持つ血液凝固因子の一部を生成する機能を担っています。そのため、肝炎、肝硬変、肝臓がんなどの病気によって肝臓の機能が低下すると、血液凝固因子が不足し内出血ができやすい状態になります。

内出血が現れるほどの肝機能障害は、既に重度な状態まで症状が進んでいるため、一刻も早く病気で検査を受けることをおすすめします。

原因④:白血病

白血病とは、血液を作り出す造血幹細胞に異常が生じ、正常な血液を細胞が作られなくなる病気です。そのため、血小板が減少し内出血ができやすい体になります。

また、風邪を引きやすくなり、発熱やだるさがあるという特徴があるため、原因不明の内出血やこれらの症状に当てはまる場合は病院で検査を受けることをおすすめします。
 

内出血の対処法

内出血の対処法

内出血は、時間の経過とともに少しずつ血液が吸収されていくため、徐々に色が黄色っぽくなり、最終的には消えていきます。しかし、目立つ内出血は、少しでも早く治したいものです。

怪我などの応急処置の基本に、RICE(ライス)という覚え方があります。転んで足などを強く打ってしまったときは、以下のポイントをおさえて対処しましょう。

4つの応急処置「RICE」で内出血を緩和しよう

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R:まずは安静(Rest)が第一
I:次に、打ってしまったところをアイスノンや冷たいタオルなどで冷却(Ice)
C:必要に応じて、圧迫(Compression)
E:打ったところを心臓より高い位置に上げる(Elevation)

こうすることで、腫れや内出血を和らげることができるとされています。
とっさの場合には、まず安静にして冷やすことを念頭に置き、それでも症状が気になるときは、念のため病院で診察を受けましょう。

早く内出血を治したい!そんなときには…

早く内出血を治したい!そんなときには…

内出血は、基本的には時間が経てば治ります。しかし、パーティーなどでドレスを着るのに、内出血が目立って気になる、など、少しでも早く治したい時にはどうすれば良いのでしょうか。

最近では、医師の指示のもと処方されるヘパリン類似物質物質を用いることもあります。ヘパリン類似物質には、「保湿」「血行促進」「抗炎症作用」の3つの働きがあり、血液の凝固を阻止する働きがあるため内出血のあざを早く治す効果が期待できます。

ヘパリン類似物質は弱まってしまったお肌の保湿力やバリア機能を取り戻し、新陳代謝を促す成分として注目を集めていますが、内出血を早く引かせる目的で用いる場合は、内出血が起きた直後に用いると、逆に内出血を助長する恐れがあるため、翌日から用いることをおすすめします。

ヘパリン類似物質

当院で取り扱っているヘパリン類似物質は、医療用医薬品のためご購入には医師による診断・処方が必要となります。

そのほか、大きく広がった内出血には血液の流れをスムーズにすることを目的としたテーピングによる自然療法や術やケガによる傷・内出血の回復を促すサプリメントなどを利用する方法もあります。
今すぐに内出血を隠したい!という場合は、タトゥーなどをカバーするシール状のファンデーションシートを使うのも良いでしょう。

内出血を起こさないための対策

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内出血を全く起こさないことは非常に難しいことであり不可能かもしれません。しかし。日頃から注意を払っているのといないとでは大きく変わってきます。ここでは、少しでも内出血を減らせる対策をご紹介いたします。

対策①:十分なビタミンを取る

凝固因子の働きをサポートするビタミンK血管の組織を丈夫にするビタミンCを十分に摂取することで、些細な衝撃で内出血をできにくくすることができます。偏った食生活は避け、栄養バランスの良い食事を取るように心がけましょう。

対策②:なるべく肌の露出を控える

運動をする際などに肌の露出が多い服装だと、気付かないうちに打撲や怪我をして内出血をしてしまいます。運動するときは肌の露出を控え、普段の生活でもぶつけないように注意しましょう。

対策③:お肌の潤いと弾力を保つ

加齢に伴い、細胞が減少して代謝機能・免疫細胞が衰えるため真皮・表皮の厚みが薄くなることがあります。そのため、保湿クリームやボディクリームなどでケアをし、肌の潤いと弾力を保つようにしましょう。

安易な自己判断にはご注意を!

安易な自己判断にはご注意を!

ここまで、内出血の仕組みやその対処法についてお伝えしてきました。ただし、安易な自己判断による対処は注意が必要なこともあります。とくに、どこかにぶつけた記憶がないのに内出血ができている、1週間以上様子を見ても薄くなる様子が見られないといったようなケース。もしかすると、その原因には紫斑病(しはんびょう)など血液の病気が関わっているかもしれません。

原因が思い当たらない内出血や強い痛みをともなう内出血など、気になる症状が出ている場合は、皮膚科や整形外科など、専門の病院を一度受診してみましょう。

品川美容外科・品川スキンクリニックはカウンセリングは何回でも無料です。お肌のお悩みがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

内出血のまとめ

  • 「あざ」にはさまざまな原因と種類がある
  • 転ぶなどしたときにできる内出血は、うちみや青あざとも呼ばれる
  • 内出血は、皮膚の下で血管が破れ血液が広がることで起こる
  • 身に覚えがないのに内出血がある場合は、別の病気である可能性がある
  • 内出血の対処としては、安静にして冷やすことが第一
  • 内出血のより早い回復を目指して、市販薬やテーピングを用いる方法もある
  • 内出血を起こさないために「十分なビタミンを取る」、「なるべく肌の露出を控える」、「お肌の潤いと弾力を保つ」の3つ対策を行うと良い
  • 内出血には病気が隠れている場合もある
文/品川美容外科スタッフ

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