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お肌や髪の毛を美しく保つのを助ける栄養素、「ビオチン」。最近では、サプリメントをはじめとした健康食品でも着目されています。その働きや効果的な取り入れ方を詳しく解説します。

ビオチンとは

ビオチンとは

ビオチンはビタミンB群の一種で、腸内細菌によっても生成されるのですが、その量だけでは必要量を維持することはできません。毎日身体の外からも取り入れることが必要です。

また、ビオチンを含むビタミンB群は水に溶ける性質を持つ水溶性ビタミンのため、一度に多量に摂っても不要な分は尿に溶けて排出されてしまいます。ですから、こまめに取り入れること、つまりは、毎食で補うことが必要です。1日に摂りたいビオチンの目安量は成人の男女で50μgです。

ビオチンが多く含まれる食品は?

ビオチンが多く含まれる食品は?

ビオチンは、次のような食品に多く含まれます。

・鶏レバー(1串30g) 69.7
・まいたけ(1パック) 24.0
・ししゃも(3匹) 16.1
・卵黄(1個) 11.7
・納豆(1パック40g) 8.2
・牛乳(コップ1杯)3.8

※単位はμg(マイクログラム・100万分の1グラム)

このように、普段食卓に上ることが多いさまざまな食品に含まれていますので、通常の食生活をしていれば欠乏症になる可能性は低いと言えます。

ビオチンの働きと期待できる効果

ビオチンの働きと期待できる効果

ビオチンは、エネルギー源である糖質や脂質、たんぱく質をエネルギーに変換したり、反対にこれらの合成をサポートしたりしています。この働きから、次のような作用が期待できます。

疲労回復

エネルギーが不足すると疲労感が強くなったり、疲労回復が遅くなったりしてしまいます。エネルギー源を円滑にエネルギーに変えることは疲労回復につながります。

皮膚や髪の毛の健康維持をサポート

皮膚や髪の毛などはたんぱく質が主成分です。ビオチンは食事から摂取したたんぱく質の分解を促して吸収しやすくしたり、体内での合成に関わったりしています。ビオチンの量が不足してこうした働きが悪くなると、皮膚や髪の毛、筋肉などに必要な成分の合成が円滑に行われず、肌荒れや脱毛などが起こりやすくなります。

皮膚炎を改善

ビオチンは皮膚の炎症やかゆみの原因物質となる「ヒスタミン」という成分が作られるのを抑える働きがあります。詳しいメカニズムは明らかになっていないのですが、ヒスタミンの産生を抑え、さらに尿から排泄する作用を持つことがわかっています。

たとえば、アトピー性皮膚炎はさまざまな原因により皮膚に強いかゆみや湿疹が起こる病気です。多くの原因が考えられますが、アレルギーが原因の場合、体内に原因物質が入ってくると、「ヒスタミン」が体内に放出されることによって皮膚の炎症やかゆみが起こります。そのため、ビオチンはアトピー性皮膚炎の治療薬としても利用されています。

さらに、ヒスタミンはアトピーだけでなく、多くのアレルギーや花粉症などの原因にもなっています。ビオチンを摂ることでアレルギー症状が緩和される効果にも期待が寄せられています。

ビオチンが不足するとどうなる?

ビオチンが不足するとどうなる?

ビオチンが不足すると、食欲不振や吐き気、悪心、舌炎、脱毛、皮膚感染、知覚過敏、皮膚炎などが起こりやすくなります。
通常の食生活でビオチンが不足することはないとお伝えしましたが、次のような条件下では、不足しがちになります。

・ダイエットなどで食事制限をしている
・欠食の習慣がある
・お酒をたくさん飲む
・便秘や下痢を頻繁に起こす

また、生の卵白を多量に長期間摂ることで、ビオチン欠乏症になる可能性があると言われています。これは、卵白に含まれているアビジンという成分がビオチンと強く結合し、体内への吸収を妨げてしまうからです。ただし、1日に5~6個以上という量を食べ続けることによる影響ですので、適量であれば卵白を食べたからと言ってビオチン欠乏症になることはありません。
なお、先にも述べたように、ビオチンは水溶性ビタミンのため、多量に摂取してもその時に利用されない分は尿に溶けて排泄されますので、過剰摂取による影響はほとんどありません。

ビオチンを効果的に摂る方法と注意点

ビオチンを効果的に摂る方法と注意点

ビオチンを通常の食品から摂取するにはバランスのよい食事が健康によいことは言うまでもありませんが、ビオチンはさまざまな食品に含まれるため、多くの品目を摂ることで十分に補うことができます。

意外に思われるかもしれませんが、野菜中心の食生活、穀類を控えるなど一見身体によさそうな食生活がビオチン不足につながりかねません。主食(穀類)、メインのおかず(肉・魚・卵・大豆製品)、サブのおかず(野菜・きのこ・海藻)をそろえ、出来るだけ多くの種類の食品を取り入れましょう。

ビタミンB群を一緒に摂る

ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、パントテン酸、ビオチン、葉酸、ナイアシン)はそれぞれが助け合いながら働くため、一緒に摂ることで相乗効果が期待できる栄養素群です。

ビタミンB1:豚肉、レバー、納豆、胚芽米など
ビタミンB2:レバー、卵、乳製品、タラコ、まいたけなど
ビタミンB6:マグロ、カツオ、レバー、にんにく、バナナなど
ビタミンB12:魚介類、肉類、チーズ、納豆など
ナイアシン:カツオ、ブリ、納豆、バナナなど
パントテン酸:卵、乳製品など
葉酸:ほうれん草、イチゴ、キウイ、レバー、納豆など

サプリメントで補う場合には、「マルチビタミン」など複数のビタミンが補えるものを選ぶとよいでしょう。

腸内環境を整える

ビオチンは腸内の善玉菌によっても生成されるため、腸内環境を整えておくことはビオチン不足を予防するために大切です。

・規則正しい生活リズムを心がける
・善玉菌として働く乳酸菌(ヨーグルトや発酵食品)を毎日摂る
・食物繊維(野菜、大豆製品、海藻、きのこ、果物など)を毎日摂る

これらを心がけ、腸内環境を整えましょう。

ビオチンは毎日取り入れなければならない必須ビタミンです。毎日毎食の心がけで、美肌や美髪を保つことにつながります。習慣的に摂りやすい方法で取り入れてみてはいかがでしょうか。

ビオチンのまとめ

  • ビオチンはビタミンB群の一種
  • 腸内細菌によっても生成されるが必要量をまかなうことはできないため、外からも取り入れる必要がある
  • 普段食べるさまざまな食品に含まれていて、通常の食生活をしている人では欠乏症が起こる可能性は低い
  • ビオチンによる作用には、疲労回復、皮膚や髪の毛の健康維持、皮膚炎の改善などがある
  • 不足すると、食欲不振、吐き気、悪心、舌炎、皮膚炎、脱毛、皮膚感染、知覚過敏などが起こる
  • 効果的に摂るためには、バランスのよい食事を心がけること、ビタミンB群を一緒に摂ること、腸内環境を整えることがポイント
文/品川美容スタッフ

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