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美容外科などで受けられる「ケミカルピーリング」。セルフケアの一貫として自宅でピーリングを行っている人は少なくありませんが、ケミカルピーリングは、より高い効果を期待できる治療法のひとつです。どのような治療法なのかご紹介します。

ケミカルピーリングとは

そもそも「ピーリング(peeling)」は、「はぎ取る」という意味。私たちの肌は、「ターンオーバー」と呼ばれる一定のサイクルで生まれ変わっています。成長した皮膚の細胞は、最終的には古い角質や垢となって剥がれ落ち、新しい細胞に入れ替わります。ところがこのサイクルが乱れると、肌のざらつきやニキビ、くすみといったトラブルが起こりやすくなります。
ターンオーバーがスムーズになるよう、酸性の薬剤など化学薬品を肌に塗って角質を剥がすのが、ピーリングです。その手段として、薬局などで手に入るピーリングジェルなどを使い、自宅でピーリングを行うこともできますが、その効果はさまざまです。ピーリング剤の成分は皮膚への負担も懸念されるため、一般的に流通している製品は厳しく規制されています。

一方、医療機関などで受けられる「ケミカルピーリング」は、医療用の高濃度薬剤を用いて、医師が行う治療法のひとつです。1990年代、日本にケミカルピーリングが登場した頃は、多くの施設でこの治療が行われましたが、その結果、腫れたり赤くなったりしたという健康被害の声も多く出ていました。それゆえ現在では、日本皮膚科学会によって、安全に治療を行うためのガイドラインも設けられています。

ケミカルピーリングの効果

ケミカルピーリングで使用される代表的な薬剤は、サリチル酸や、グリコール酸、乳酸などです。たとえば脂溶性のサリチル酸は、皮膚分泌の多い毛穴によく浸透するのでニキビの治療に向いているなど、それぞれの薬剤によって働き方や効果に特徴があります。また、濃度が濃すぎると皮膚へのダメージばかり強くなってしまいますが、薄いとほとんど効果が得られないということにもなりかねません。さらに、個人個人の肌のタイプや健康状態、季節なども薬剤に対する反応に影響を与えます。ですから、実際に医療機関でケミカルピーリングを受ける際は、医師が肌の状態を見極め、治療を受ける本人とよく相談をした上で、薬剤の種類や濃度、塗布時間などを決定していきます。

ピーリングの「はぎ取る」という意味からすると、やや荒っぽい治療のように聞こえるかもしれません。しかし、ケミカルピーリングを受けるとターンオーバーが促され、皮膚がスムーズに再生されるため、キメが整って透明感のある肌になります。また、古い角質だけではなく毛穴の詰まりも取り除かれますので、ニキビや毛穴のざらつきが解消され、シミやくすみの改善も期待できます。自宅のピーリングで効果を感じられない、重度のニキビに悩まされている、といった場合は、ケミカルピーリングも選択肢のひとつになるでしょう。

押さえておきたい注意点

ケミカルピーリングを受ける前に、押さえておきたい注意点もあります。まず、治療の効果は、必ずしもすぐには得られません。たとえばニキビの治療は、当院の場合2週間に1回の施術を3回程度は繰り返すことを推奨しております。さらに色素沈着などは数か月~数年かかるケースもあり、根気よく治療を続けていくことが大切です。効果には個人差があり医師とよく相談の上、治療をおこないましょう。

ケミカルピーリングで使われる薬剤は安全性の高いものですが、施術中は多少ピリピリとした感覚があったり、数日赤みが残ったりすることもあります。また、角質層が剥がれることで紫外線の影響をダイレクトに受けてしまうため、施術後はとくに保湿とUV対策の徹底が欠かせません。


また、顔の湿疹や口唇ヘルペス、「とびひ」など、何らかの皮膚の病気にかかっている場合は、その治療が優先と判断されることもあります。そのほか、妊娠中や授乳中、1か月以内に別の施術を受けている、もともと皮膚が弱い、といったさまざまな懸念事項もあらかじめ医師に伝え、適切な施術タイミングを相談しましょう。

ケミカルピーリングの施術の流れ

実際にケミカルピーリングを受ける場合、薬剤を塗布する時間はおよそ5分程度です。メイクや洗顔、入浴、シャワーなども、施術を受けたその日から可能と言われることがほとんどです。しかし、治療をした部分はこすらないように注意しましょう。

▲ケミカルピーリング施術動画

ケミカルピーリング後は、余分な角質が落ちて美容成分を吸収しやすいため、ビタミンCのイオン導入など、他の治療を併用すると美肌効果が高まることもあります。なお、このような治療の選択肢や費用は、施設によって大きく異なりますのであらかじめ確認しておきましょう。

肌に悩みを抱え、ケミカルピーリングに興味を持たれた方は、まずは信頼できる医療機関を探し、詳しく相談してみましょう。「美肌は一日にしてならず」根気よく治療を続けるためには、安心して通える良きパートナーをみつけることが大切です。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングの施術概要

【治療名】 ケミカルピーリング
【施術概要】 薬剤を塗り、古い角質を除去してターンオーバーを活性化させる治療。
【効果】 ニキビ・ニキビ跡、くすみ、毛穴のざらつき、角質除去
※効果には個人差があります
【処置時間】 薬剤塗布時間約5分
【処置(治療)後の通院】 ピーリングは繰り返し行なうことにより、徐々に効果が出てくるので、次回の治療を希望される場合、目安として2週間以上空けてから受けていただくことをおすすめします
【ハレ/痛み】 ほとんどありません
【麻酔】 使用しません
【メイク/洗顔】 当日より可能です
【洗髪/シャワー/入浴】 当日から可能ですが、治療部位は1~2週間はこすらないようにしてください
【その他】 処置部は日焼けしやすくなってしまうので1~2週間は外出時は日焼け止め (UV カット )を使用するように心掛けてください

※個人差がございます、あくまで目安とお考えください

新しいピーリングの治療法

瀧本 医師

近年では、ケミカルピーリング以外のピーリング治療もお悩みの症状に合わせて種類が増えてきました。品川美容外科、品川スキンクリニックで取り扱っているその他のピーリング治療をご紹介します。

コラーゲンピール
マッサージピールとも呼ばれており、高濃度トリクロロ酢酸(TCA)と低濃度過酸化水素(H2O2)とコウジ酸を主成分とする薬剤を塗布するピーリング治療です。コラーゲンの生成を促し、お肌のハリやツヤ、弾力、透明感をアップする効果が期待できます。また、肝斑・くすみ・血行不良・妊娠線・ニキビ跡の改善にも有効です。
 
グロスピール
ブルーベリー、クランベリー果実エキス等の「抗酸化」「皮脂分泌抑制」作用に着目した治療法で、お肌に優しく治療後の腫れや痛みなどのダウンタイムが少ないことが特徴です。お悩みによって3種類の薬剤から選ぶことができ、ニキビ、シワ、くすみの改善、色素沈着の予防、保湿、角質除去といった効果が期待できます。
 
・FCR(グロストリートメント)
ミネラルを豊富に含む天然サンゴ抽出物が血液循環を促進し肌細胞を活性化、ターンオーバーのサイクルを整えることにより古い角質や毒素を除去し、ニキビ・ニキビ跡、毛穴の詰まりや脂性肌、乾燥肌の改善に有効です。また、お肌にハリやツヤを与えてくれる効果も期待できます。

※各治療の効果には個人差があります

ケミカルピーリングのまとめ

  • ピーリングとは、酸性の薬剤を肌に塗り、角質をはがす方法
  • 医療機関では、より高い効果を期待できる「ケミカルピーリング」を受けることが可能
  • ケミカルピーリングによって、ニキビやニキビ跡、毛穴の開きなどの症状の改善に期待できる
  • 肌の状態や体調などを総合的に判断し、薬剤の濃度や塗布時間が決められる
  • ケミカルピーリングの効果を得るには、根気強く治療を続ける必要がある
  • 施術前、施術中、施術後の注意点について、あらかじめよく把握しておく
  • 施術内容や費用は施設によって異なるため、信頼できる医療機関を探すことが大切
  • ケミカルピーリング以外にも様々なピーリング治療の種類がある
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この記事の監修ドクター

品川スキンクリニック 広島院
瀧本 浩樹医師

  • 日本美容外科学会会員
  • 日本美容外科学会認定 美容外科専門医(JSAS)
  • 日本形成外科学会会員
  • 日本救急医学会 救急専門医
  • 日本外科学会 外科専門医
  • サーマクール認定医
  • ジュビダームビスタ®ボリューマXC認定医
  • ジュビダームビスタ®ボリフトXC認定医
監修/瀧本 浩樹 文/品川美容スタッフ

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